ご相談事例

相続税申告についてのご相談

   「相続」は、一歩間違えれば親族間の「争族」になりかねません。

サラリーマンを定年後、60代後半で病気で亡くなったAさんの相続の話。

相続人は、妻Bと娘Cと息子Dの3人。(娘Cと息子Dは、いずれも30代独身で両親と同居)

Aさん名義の自宅(戸建)と預貯金は、娘Cと息子Dの同意のもと、早々に全て妻B名義に変更されていました。

このタイミングで、妻Bは当事務所に相談にこられました。

子供たちに伝えてない財産として、亡き夫(Aさん)名義の上場株式が時価で約1億円あるとのこと。Aさんが勤務先の持株会に入り、コツコツとボーナスで買い増ししてきたもので、会社の業績が好調で株式分割を繰り返し、この金額になったとのこと。

この株式の名義変更しようとすると、子供たちに金額がバレてします。特に現在無職の娘Cは株についてうすうす気づいている様子でどうしたらいいかわからないと。

 私のアドバイス:自宅不動産と預貯金は、妻Bの老後の生活のため、全て妻B名義でいいと思います。株式については法定相続分(妻が1/2、子供が1/4ずつ)にされたらどうですかと。


B:法定相続分で分割するのはいいが、そうすると無職の娘Cが、この株式(2500万円相当)を手にすると、散財したり悪い友達に騙されてお金を盗られるのではないかと、不安で毎日眠れない、とのこと。


株式を法定相続分で分割する「分割協議書」を作成し、平日夜に訪問し、妻BC息子Dが揃ったところで、私曰く「ご両親(Aさんと妻B)が、子育てを一生懸命しながらコツコツと蓄えてこられたお父様(Aさん)名義の株式があります。お母様(妻B)も同意されて法定相続分で分けることにします。ぜひ、お父様お母様の気持ちを受け止めて受け取ってください」と。

その後、無事すべての財産の相続も完了し、相続税申告も完了しました。

後日、妻Bが事務所に訪ねてこられました。


「娘Cは、その後安定した会社に就職しました。株式も現金化しないで、自分の株式口座をつくり継続投資しています。今は母娘で、株式投資の話もできるようになりとても嬉しいです。宗先生のアドバイスのおかげです」と。

一歩間違えれば、「争族」になりかねないケースでした。    

 

事業承継についてのご相談

社長の突然の病

甲社長は、同族会社A社と同族会社B社の社長です。A社は過去に大きな事業上の損失により、多大な金融機関の借入が残っています。B社は事業規模は小さいもの黒字を維持しています。

そんなある日、甲社長は重い病気であることが判明しました。後継者のこと、A社とB社の今後のことなど、甲社長にとって心痛は想像を絶するものであったろうと察します。

A社とB社の合併、専業主婦であった長女を後継社長になど、事業の状況や親族の状況などを鑑みての提案をさせていただき、一歩ずつ適用していきました。

その後、社業は順調に推移するようになった頃、甲社長(当時は会長)それを見届け安心されたかのようにお亡くなりました。


相続税対策についてのご相談

事前の対策で争続回避

Aさんは、10年以上前に夫を亡くし、夫から不動産(田畑、自宅敷地、貸倉庫およびその貸倉庫敷地、貸地等)および同族会社である不動産管理会社(以下、S社)の株式を相続され、代表取締役となられました。

Aさんには、長男Bさんと長女Cさんがいらっしゃいます。Aさんにお会いするたびに、長男Bさんと長女Cさんが不仲なこと、将来自分に相続が発生したらどうなるのか!?について、涙ながらに話されます。

Aさんに話を聞くと、夫から相続した不動産(特に土地)は当初は長男Bさんに相続させたい希望がありましたが、長男Bさんと長女Cさんの現状からすると、ご自身の相続発生した場合には、必ずもめるだろうともお考えでした。

そこで、Aさんと何回か相談させていただき、長男Bさんに田畑・自宅敷地・貸地を、長女Cさんに貸倉庫およびその貸倉庫敷地並びにS社の株式を、遺言書および生前贈与を組み合わせて、贈与・相続させることに同意していただきました。

一連の対応策について、私が提案書を作成し、長男Bさんと長女Cさんに個別にお母さまであるAさんの思いと希望を説明し、最後にAさん長男Bさん長女Cさん3人一緒に、私の方で意思確認をしました。

3者とも提案内容について同意してくださり、実行に向けてスタートしました。

それ以降、Aさんにお会いするたび、「長男と長女も納得しているようです。これもすべて先生のおかげです、ありがとうございます」とお声かけいただいています。